2017/09/14

第2話 歯科でも知らないうちに使っていたデジタルテクノロジー









前回、歯科のデジタル化のメリットと言いましたが、メリット以前にCAD-CAMでなくては作製出来ないものがあります。

それは「ジルコニア」です。

従来より白い歯を入れるにはセラミックが主流ですが、セラミックを入れるには割れたりするのを防止するために最低限の厚さが必要でした。

しかし、患者さんの個々の条件で上下の歯の位置が近く、十分な厚みが取れない場合がありました。

すると仕方なく金属の歯を入れなければならないと言う事になっていたのですが、ジルコニアは従来のセラミックとは違い強度がものすごく高いので、今まで入れられなかった部分にも白い歯が入れられるようになったのです。

ただ白い歯を入れたいと言うだけでなく、最近非常に多い“金属アレルギー”の患者さんで従来のセラミックが入れられない場合にも、とても有効です。

あとは、「金属代の高騰に伴うコストダウン」と言う名目もよく聞きますが、高額な専用器械の導入をしなければならないので、結局コストダウンに繋がっていないと思います。

そのため、セラミックの技工代金も金属使用と比べて下げると言うのも、当然難しくなります。

ただ、コストダウンの話しは抜きにしても、前述したように唯一無二の存在である事には変わりありません。

そのジルコニアの加工にはCAD-CAMが必要なのです。

「デジタル診療はやってないよ」と言っている先生でも、ジルコニアクラウンやインレーを使っているのであれば、それは既にデジタル導入しているのと同じなんです。


第3話に続く

第3話 ジルコニアクラウンの簡単な製作過程