前回、歯科のデジタル化のメリットと言いましたが、メリット以前にCAD-CAMでなくては作製出来ないものがあります。
それは「ジルコニア」です。
従来より白い歯を入れるにはセラミックが主流ですが、セラミックを入れるには割れたりするのを防止するために最低限の厚さが必要でした。
しかし、患者さんの個々の条件で上下の歯の位置が近く、十分な厚みが取れない場合がありました。
すると仕方なく金属の歯を入れなければならないと言う事になっていたのですが、ジルコニアは従来のセラミックとは違い強度がものすごく高いので、今まで入れられなかった部分にも白い歯が入れられるようになったのです。
ただ白い歯を入れたいと言うだけでなく、最近非常に多い“金属アレルギー”の患者さんで従来のセラミックが入れられない場合にも、とても有効です。
あとは、「金属代の高騰に伴うコストダウン」と言う名目もよく聞きますが、高額な専用器械の導入をしなければならないので、結局コストダウンに繋がっていないと思います。
そのため、セラミックの技工代金も金属使用と比べて下げると言うのも、当然難しくなります。
ただ、コストダウンの話しは抜きにしても、前述したように唯一無二の存在である事には変わりありません。
そのジルコニアの加工にはCAD-CAMが必要なのです。
「デジタル診療はやってないよ」と言っている先生でも、ジルコニアクラウンやインレーを使っているのであれば、それは既にデジタル導入しているのと同じなんです。
第3話に続く
第3話 ジルコニアクラウンの簡単な製作過程
- 前回3shapeのホームページを見るとよく見かけた製品説明のPDFファイルのダウンロード。 例えばCADデザインのソフトウェアとスキャナーのパンフレットのダウンロードの部分を見ると、 各国の言語でのパンフレットが揃えられています。 画像引用...
- 今回の記事の引用元: 3shape https://www.3shape.com/ 前回 、デジタル歯科治療のトータルコーディネートを全て行えるフィンランドの会社、「 Planmeca プランメカ 」のデジタルワークフローについて紹介しました。 ...
- 前回 オープンシステム、クローズドシステムの話をしました。 クローズドシステムと言うと、デジタルデータが抜けずユーザーを1つのメーカーで「囲い込み」と言う感じがします。 しかし、逆を返せば同一のソフトウェア(=考え方)で最初から最後まで進んでいくため...
- 引用元:デンタルウィングス dental wings http://www.dentalwings.com/ デジタルデンティストリー製品の開発で有名なカナダの会社「dental Wings(デンタルウィングス)」。 dental Wing...
- 世界的に口腔内スキャナーの普及率が高まり、数年前と比べその種類は増え、また精度、スキャンスピードなどは格段に上がり、臨床レベルでも従来法の印象材を用いる方法よりも使い方によっては良い結果をもたらせるようになっています。 その中でも3shapeのTRIOS...
- 今回は先日2017年8月3日~5日まで、アメリカのサンディエゴで開催された、AAED(American Academy of Esthetic Dentistry=アメリカ歯科審美学会)の時の話しです。 AAEDの概要や今回のトピックスなどは、医歯薬出版の補綴...
- 前回 、カナダのデジタルカンパニーであるdentalwings(デンタルウィングス)のBite Splintのデジタル作製の方法を紹介しました。 今回はそのdentalwings(デンタルウィングス)が提供する小さなサービスについてです。 ...
- 前回、口腔内スキャナーのTRIOSトリオス3(3shape)がシェードテイキング出来ると言う事について書きました。 http://dentdigital.blogspot.jp/2017/09/12trios.html その中で日本でも2017年...
- 歯科におけるデジタルテクノロジーおいて、“オープンシステム”か“クローズドシステム”かと言う言葉を耳にする事があると思います。 今回はそのオープン&クローズの違いを簡単に説明します。 通常デジタルの歯科治療の流れとしては、 ...
- 医療だ科学と言ってもやっぱり「技術職」の歯科業界。 そんなこの業界にもデジタル化の大きな波は押し寄せています。 そもそも歯科医療におけるデジタル化って何だって?思いますが、今まで実際に手を動かして直接ものを作っていたところを、パソコンの画面上でデザ...