2018/04/29

第50話 松風歯科クラブ臨床講座で講演させて頂きました。 ~新時代を見据えた審美歯科の在り方~






少し前の話ですが2018年2月に日本の大手老舗メーカーの松風が主催する、『松風歯科クラブ臨床講座』で講演させて頂きました。




講演会全体のタイトルは『新時代を見据えた審美歯科の在り方』という大きなくくりで、歯科医師の二宮 佑介 先生(東京都開業)と歯科技工士の旗手 勝浩 先生(東京都開業)と三人で一時間ずつお話しさせて頂きました。



http://www.shofu.co.jp/seminar/contents/hp0014/index.php?No=623&CNo=14


私の講演の演題は『クラウン・ブリッジのためのデジタルトリートメント ~口腔内スキャナーからフルジルコニア、その咬合まで~』というもので、最近ずっと力を入れているデジタルとトラディショナルの融合についてしっかりと話させて頂きました。





講演会自体は秋葉原のUDXのカンファレンスルームで約160人ほどの参加者が集まって頂く事が出来、大盛況のうちに終える事が出来ました。






二宮先生も、旗手先生も非常に素晴らしい講演で私自身も大変勉強になりました。






また一緒に出来たら良いですね。


第51話に続く。

第51話 2020年までにAI医療を当たり前にー日経デジタルヘルスよりー







第49話 週刊現代2018.5月号の『AIが完全予測「給料が下がる仕事」「上がる仕事」全210職種 技術革命で消える仕事がわかった!』を読んだ感想






週間現代の2018年5月号に面白い記事がありましたので、私見も踏まえて書きます。


『AIが完全予測「給料が下がる仕事」「上がる仕事」全210職種 技術革命で消える仕事がわかった!』


と言うタイトルですが、みんなが好きそうなアイキャッチですね。




最近はAIやデジタルテクノロジーと言った事が進んで来ているせいか、この手の消える職業的な話題が多い。





そしてその給料下がる第1位がなんと「歯科医師」⁈


平均月収がおよそ64万円から、17万円ほどになるとの予想です。


理由をみるとAI搭載ロボットが治療や手術を担当する様になるとの事。


もう一つの理由としては、全国に6万件以上ある歯科医院の経営が苦しいとの事でした。


後者の歯科医院数過多はもうずっと言われており、その中での現在の収入というところなのでそこはあまり理由になりません。


要はAI搭載ロボットによって仕事が奪われるという事ですね。





また歯科医師だけでなく、歯科技工士も給料が下がる仕事に第31位にランクイン。


これもおそらく仕事の機械化という事でしょう。


あと下がる職業で一つ目に止まったのは第83位に入っていた「CADオペレーター」。


これはコンピューター上で製品製作のためのデザインを行う仕事の訳ですが、私たちのような職人的仕事からすればこれもデジタル化ですが、それも消えると言うのはおそらくAIの影響があるという事でしょう。





反対に給料の上がる職業として目を引いたのが第4位の「歯科助手」でした。


理由は歯科の現場の仕事はなくならないから、ロボットのアシスタントをするとの事。


第70位には「歯科衛生士」が入っていました。


さてここからが本題で、私の意見を述べさせて頂きます。


まず給料が上がる仕事の第1位に「縫製工」とありますが、この理由は「アパレル業界が少品種大量生産から、多品種少量生産になるため技術力の高い国内の縫製工に移行する。」との事。


まさにそれはその通りだと思います。


オーダーメイドには技術が必要であるという事と言い換える事が出来るでしょう。


しかし、それを歯科治療に当てはめて考えても同じ事が言えます。


そもそも人間一人ひとり違う訳なので治療のすべてがオーダーメイドです。


大量生産などではなくむしろ一つとして同じ治療はありません。


そして、基本的な事をいわせてもらうと歯科治療はめちゃくちゃ難しい。


まさに職人の世界です。


おそらく、一般の人がやったらおそらく一発で医療事故になるでしょう。


そうならない様に6年間の専門的勉強や動物実習、解剖実習、そして病院内臨床実習をこなし、さらにそこから数年は現場で下働きをして独り立ちできるくらいになるのです。


私たちは深い知識と数ミクロン単位の技術を最低限両立して医療現場に立っているのです。


どのくらい高い技術が必要かという事をこの記事を書いた人は全く理解していないでしょう。


是非マネキン実習でもしてその難しさを体験して私たちが毎日毎日どれくらい繊細な作業をしているのかを認識してもらいたいところです。


総合して見るとAI参入と機械化すれば給料が下がる、人の技術が必要となるものは給料が上がるという事ですが「歯科医師」と「縫製工」の様に人の繊細な技術が関わる同じ条件なのに反対のグループに所属するというこの矛盾。


いわゆる理論破綻しています。


他にもその専門知識が必要だから給料が上がるなど書かれていますが、知識こそむしろ無限にコンピューターに入れられる訳ですし、それこそまさにAIで置き換わる部分です。


細かい事を言えば歯科助手が人間の補助からロボットの補助に代わるだけで何故給料が月に10万円近くも上がるのでしょうか?


もし治療をロボットがするのであればその補助はむしろ歯科医師の仕事になるでしょう。





あとこれは少し違う話ですが、歯科衛生士の現状の給料が16万円程と書かれています。


残念ながら日本全国で月16万円で歯科衛生士を募集しても応募はないでしょう。


何を調べたらこの数字になるのでしょうか?


とにかく数字を書くとリアリティーが生まれるので引き込まれますが、その説明は根拠が不明で矛盾を多く感じる記事でした。


どうぞみなさんも買って読んでみて下さい。


第50話に続く。

第50話 松風歯科クラブ臨床講座で講演させて頂きました。 ~新時代を見据えた審美歯科の在り方~









2018/04/28

第48話 インプラントレプリカ(インプラントの技工用ダミーパーツ)が「松風」から発売されました。【DIMアナログ】







私は常日頃から口腔内スキャナーを用いた光学印象は、『インプラント』補綴の方が通常の支台歯に用いるよりも適していると述べています。


その理由としては、インプラントが規格化されているという事にあります。


天然歯の様に色々な形態がある訳ではないため、印象の際に「マージンの印象が出来ている出来ていない」と言う事がなくなるからです。


埋入されたインプラントの種類にあったスキャンボディを読み込めば、骨内に入っているフィクスチャ―のポジションもわかり、その上にアバットメント、上部構造の作製がコンピューターデザインで行える訳です。


しかしながら、いくらデジタル技工と言えども補綴物の作製の際にはやはり模型が必要であると日大クラウンブリッジでバリバリ技工をやっていた私は考えています。


ただし、その様なインプラント補綴のデジタルインプレッションを行っても、その模型を作製するためのパーツが必要となります。





そこで日本国内メーカーの『松風』が3Dプリンターモデル内に埋め込めるインプラントアナログを発売しました。


もちろん海外などを見れば他社でもありますが、日本メーカーの大手老舗がそこをやってくれた事がとても嬉しいです。





日本ではまだデジタルインプレッションから模型を作製して、補綴物の作製もしくは調整を行うと言うインフラが整っていません。

※私自身は通常のクラウンブリッジワークであれば、デジタルインプレッションから模型作製と、補綴物のコンタクトや咬合調整を行う事をしていますが。


やはり創業当時から技工と言う分野にも重きを置いていた『松風』だからこその製品だと思います。





対応しているインプラントの種類もかなり数多く、一般的に使用されているインプラントであれば大体できるのではないかと思います。


ただし、今日本の30~40代の先生に爆発的に人気のあるGCインプラントは対応していない様ですね。(それは大体どのメーカーも同じ)


京都にある松風のSWAVE CAD-CAM加工センターで対応できます。





ただし、技工を出すためには少しばかり条件があるようなので、よく理解しておかなければなりません。


以下ホームページより

3DプリントDIMを作製するための条件 

1. 松風S-WAVE スキャンボディが使用されたデジタルスキャンデータであること。 

2. 3Shapeのデンタルシステムが使用できること。 

3. デンタルシステムのアドオンであるアバットメントデザイナー及モデルビルダーが使用できること。 

4. デンタルシステムに最新のS-WAVEインプラントライブラリがインポートされていること。 

※上記条件が一つでも欠けてしまうと、作製することができないのでご注意ください。

詳しくはこちらをご覧下さい
3Dプリントモデル受注開始のお知らせ
DIMアナログ


デジタル技工のインフラを松風が大きく舵取りしてくれる事を期待しています。


第49話に続く

第49話 週刊現代2018.5月号の『AIが完全予測「給料が下がる仕事」「上がる仕事」全210職種 技術革命で消える仕事がわかった!』を読んだ感想









2018/04/24

第47話 プランメカエメラルド(PLANMECA Emerald)前モデルを上回る変貌を遂げて登場!







フィンランドのデジタル機器の名門「PLANMECA プランメカ」。

以前もこちらで紹介していますが、

第7話 デジタルインフラがトータルコーディネートされたーPlanmeca Romexisープランメカロメキシス


今回はそのPLANMECA プランメカの新しい口腔内スキャナーを紹介します。

その名も『PLANMECA EMERALD プランメカエメラルド』

この前のタイプは日本国内でもGCが取り扱っています。

PlanScan(GCサイト)




今回の新しいモデルはまず形から違います。

人間工学に基づいた保持しやすい形になった事と大きさが小さくなっています。

以前のはやはり大きかった。。。



撮影ボタンがワンドの表と裏の両面に存在する。

そのため撮影が進んで行ってもスイッチングがしやすい。



当然大きさが小さくなっているので、軽量化もしています。




ワンドの先端は外してオートクレーブによる高圧蒸気滅菌が可能です。

※これはTRIOS3でも同じですね。




USB-3コネクションにより着脱が出来ます。





この画像とは関係ありませんが、スキャン時におけるパウダーはいりません。

パウダーレスが良いか悪いかは議論の余地がありますが、無い方がそりゃ楽ですね。




3色のレーザー光でより高速なスキャンを行う事ができるようになります。

実際に使用したわけではないので細かい使用感は分かりませんが、触った事のある先生の情報ではかなり良くなっているようです。

これもまた日本国内ではGCでの販売になるのでしょうか?

売り方が重要ですね。