2017/09/27

第16話 江東区歯科技工士会での講演で忘れられない出来事







2016年の11月19日、昔からの知り合いであるDental art of PACIFIC(デンタルアートオブパシフィック)の生川社長にお声掛け頂き、江東区歯科技工士会で講演をさせて頂きました。





その時の後席である技工士さんと話している時の言葉で忘れられないものがありました。


「先生はどうしたらデジタルを認めてくれるのですか?」


「いや私はむしろ推進派ですよ!」


その技工士さんはここ数年、歯科医師から送られたパーシャルデンチャーの模型をモデルスキャナーで読み込んで、CADデザインソフト上で金属床のフレームをデザインして、それを3Dプリンターで造形したものをキャストするという仕事をやられているようでした。

10年以上前からデジタルデンティストリーに取り組んでいるらしく、その頃から「日本は世界と比べ遅れている」事を感じていたそうです。

しかし、その頃から長い年月が経っても相変わらず日本の歯科におけるデジタル化は世界に比べ遅々として進んでいない事にもどかしさを感じているそうです。




私の講演内容はアナログとデジタルの融合という内容で、従来の咬合の考え方などを精密に移行するためにはどうするかという事をお話ししていましたので、どちらかというとデジタルを否定しているように聞こえてしまったのではそのせいかと思いますが、そのくらい情熱的にデジタルデンティストリーに取り組んでおられる様でした。


そして、私がその時のお話しの中で忘れられないのは、「何故デジタル化が進まないか」という議論の時です。

その技工士さんは、

「やはり歯科医師の多くがデジタルを認めないと進みません。

日本では歯科技工士の最低レベルが海外と比べ高いので、わざわざデジタルに頼らなくても質の良いものが出来ている。」と、

確かにその通りだと思いました。


しかし、海外の様に歯科技工レベルが低いのを基準として最低品質を落としてまで同一のクォリティの技工物になっても良いものか?

いや、今はそんな事を言っている場合ではなくなってきているのです。

歯科技工士さんを目指す人が激減していますし、就業しても離職してしまう人もかなり多いです。

このまま行くと今まで通りの様な技工物の安定的な供給が患者さんに出来なくなる時代が来てしまいます。

そういった事を歯科業界全体として考え、もっと業務の効率などを考えデジタルテクノロジーを導入すべきだとこの時改めて考えさせられました。

第17話に続く

第17話 圧倒的な低価格の3M™ トゥルー デフィニション スキャナーモバイル











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