前回、カナダのデジタルカンパニーであるdentalwings(デンタルウィングス)のBite Splintのデジタル作製の方法を紹介しました。
今回はそのdentalwings(デンタルウィングス)が提供する小さなサービスについてです。
クラウンをデジタルデザインで作製する際に、元からデザインソフト内にある形態を引っ張ってくる訳ですが、その形態のdentalwings(デンタルウィングス)バージョンのSTLデータを提供しているという事です。
通常どんなCADデザインソフトにも既製の形態はありますが、ソフトによっては形態の種類を増やす事で使用料が上乗せされるという事があります。
その様な場合にはこの様な無償のデザインのデータは多少有効になるでしょうか?
有用無用はさておき、このサービスにはフルクラウンの解剖学的形態だけでなく、レイヤリングのためのカットバックされた解剖学的形態のSTLデータも用意されています。
上顎の18~28まで、
なかなか良い形態をしているのではないでしょうか?
エマージェンスプロファイルまで再現されています。
上顎歯のSTLビューワーの動画です↑
下顎も38~48まで用意されています。
上顎と同じく歯根形態の情報まで再現されています。
上顎歯のSTLビューワーの動画です↑
上下を同時にSTLビューワーで表示したところですが、
このSTLデータ自体クラウン単体のデータであり、バイト情報はありませんのでめちゃくちゃな咬み合わせですが問題ありません。
多分これを使用している人はほとんどいないと思いますが、こう言うサービスを提供してくれていると言う気持ちが個人的には好きです。
第12話に続く
第12話 TRIOSトリオス3でシェードテイキング、その先へ
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