2019/08/01

第67話 新機種Primescan(プライムスキャン)登場-デンツプライシロナ セレック口腔内スキャナー





デンツプライシロナから新しい口腔内スキャナーが登場しました。

その名もPrimescan(プライムスキャン)。

口腔内スキャナーのパイオニアであるセレックの最新機種の特徴を今回から少し書きます。

※デンツプライシロナのHPより引用


以前の機種でもスキャンスピードは遅くなかったのですが、今回の新機種Primescan(プライムスキャン)ではそのスピードが1/4に短縮されました。

実際に試用をした方に聞くと相当早いそうです。

さらに5倍のデータ量で高精度になっているという事が言われています。


※デンツプライシロナのHPより引用


➀精度はデンツプライシロナ独自の「スマートピクセルセンサー」と「ダイナミックデプススキャン」による、口腔内画像の3Dデータを作製出来る。

②操作性は、広いガラス有効面積のため最後臼歯や光反射の強いマテリアルでもスキャンが行える。セルフヒーティング機能により曇らずスキャンが行える。

③機動性は、可動式ワイドタッチパネルとタッチパッドで直感的に扱える。バッテリー駆動で高い機動性を有する。

④ワークフローは提携ラボとのスムーズなやり取りと、チェアサイド加工機を導入した場合は「One Visit Treatment」も可能になる。

⑤スピードは、読み込んだデータの中から必要なデータのみを抽出し、計算と最適化を行うため高速化を実現した。


以上、大きな特徴が上がっているが、実際の使用感はこれから導入歯科医院において評判を聞いてみないと分かりませんが、実に楽しみな新機種だと思います。

第68話に続く






2019/07/29

第66話 大手ラボ「シケン」も導入口腔内スキャナー






またしても口腔内スキャナー体験のチラシが来ておりました。




「デジタル技工・ダイレクトスキャン 見て、触って、体験して下さい!!」
「歯科医院さま向け勉強会随時開催中」

そのチラシは業界大手ラボの「シケン」さんでした。

どんどん大手ラボが口腔内スキャナーを購入しラボで使用したり、もしくは先生方に貸し出しを行ったりしています。

もちろん技工を自社に集めるという目的があるわけですが、以前にも書いた成田デンタルさんや和田精密さんもそうですが、続々と大手ラボさんが導入されていますね。


 

技工代金が不明ですが、業界のコストパフォーマンスを考えたものが今までの技工代金よりも高くなるようだと、なかなかデジタルの流れに歯科医師がのって来ないかもしれませんね。


第44話 成田デンタルがTRIOSトリオス3の販売とレンタルの事業を発足。


第40話 Trophyトロフィー3DIプロのインテリジェントマッチング?Trophyトロフィー3DIプロのデモンストレーションpart③


やはり歯科医師をしっかりと動かす事が重要です。

第67話に続く。

第67話 新機種Primescan(プライムスキャン)登場-デンツプライシロナ セレック口腔内スキャナー








第65話 激安口腔内スキャナー&保険導入のウワサ






今の日本では歯科医院における口腔内スキャナーの導入率はまだ2.9%(技工士ドットコム調べ)だそうです。

精度とコストパフォーマンスの問題でなかなか普及をみせない口腔内スキャナーですが、いよいよ保険医療に導入されるとか?!されないとか?!

まだまだアナログ印象(型取り)と石膏模型を使用した技工物の作製したものの方が究極に素晴らしいとの声が強いですが、これから保険医療範囲内の技工士さんが大幅減少する事が予想されている中で、過酷な労働環境で安価な技工物を作製するという体制に既に限界が来ています。

口腔内スキャナーが保険導入される事で、恐らく日本全体でデジタル技工が進む事でしょう。

あとは口腔内スキャナーの価格だけですが、TRIOSトリオスからはBASICベーシックと呼ばれる250万円ほどのものが登場し、噂話ですがGCからはなんと100万円を切るスキャナーが登場するとか?!

大きく変わる予感がするデジタル歯科治療まだまだこれから楽しみですね。

第66話に続く

第66話 大手ラボ「シケン」も導入口腔内スキャナー





第64話 デジタルセラピューティックス(DTx)と歯科






アメリカをスタートとして「デジタルセラピューティックス(DTx)」と言う事が言われ始めています。

デジタルセラピューティックスはアプリやIoTデバイスで治療もしくは治療補助を行う事を目的としたものです。


2010年にアメリカのWellDoc社が「Bluestar」という2型糖尿病患者向けの治療補助アプリを作製して、FDAFood and Drug Administration アメリカ食品医薬局)から承認を受けた事でIT ベンチャーで一旗あげようするスタートアップ企業から注目され始めたようです。

PEAR THERAPEUTICS
社は、覚醒剤やアルコール中毒患者に対する治療用アプリを開発しFDAから承認されました。

一方日本でも今年3月に塩野義製薬が、アメリカのAkili社の開発した小児ADHD(注意欠陥/多動性障害)の治療用アプリの独占販売を決定している。

このアプリはゲームを行う事で脳の前頭前野を刺激するもののようです。

さらに日本のキュアアップ社は禁煙治療の補助アプリとして、患者の行動変容を狙ったものを発表している。




これだけ聞くと「今までのゲームアプリと何か違うのか?」と思います。

個人的な意見だけ述べれば、ゲームのターゲットを変えて医療業界のお墨付きを得て販売先を変える。

そういう事だと思うのですが、これを歯科分野に適応する場合はどうなるのか?

医療における「治療」には様々ありますが、歯科の治療のメインは患者さんの歯や歯ぐき、歯槽骨に触れる事がほとんどのため、アプリでそれを行う事は出来ません。

しかし歯磨きを上手に誘導するとか、食生活の改善を促すとかそう言った事では使えそうですね。

これからもっと広がる予感を見せるデジタルセラピューティックス(DTx)

期待します!

65話に続く



第65話 激安口腔内スキャナー&保険導入のウワサ







2019/06/13

第63話 情報をいち早く入手する大切さ。






前回の記事に書いた日本臨床CADCAM歯科学会の懇親会でのお話し。

某ホテルの素敵な会場で行われた懇親会では、学会の中で会員発表された先生のうち、優秀な発表をされた先生がたに賞が贈られていました。

なかでも最優秀賞に選ばれた北海道の先生の内容がとても印象的でした。

口腔内スキャナーを用いてインレーの印象を行う際に、ボックス窩洞の下にウェッジを挿入すると言う方法です。

ウェッジを挿入すると形成ラインがはっきりとスキャンされ、最終修復物も臨床上とても適合がいいものが出来上がると言うものでした。

それを実際に臨床上で比較されていたのですが、私はそれが大変素晴らしいと思いました。

多くのスキャナーなどを用いた研究は、実際の臨床で行われていません。

もちろん口腔内では様々なエラー要因があるため、比較する事が難しいと言われるかもしれませんが、やはり実際に必要なのは口腔内でどうかということだと思います。

それを常日頃から考え取り組んでいると言う姿勢にとても感動しました。

しかしもっと驚いたのは、その最優秀賞を受賞された先生に日本臨床CADCAM歯科学会の理事長である、草間先生がコメントの際に「そのやり方はスイスの学生教育でやっている」と仰った事です。

様々な規制などから、この分野は日本が世界から遅れをとりがちですが、遅れているならその情報をいち早く入手していかに日々の治療を変化させていくか?それを考えさせられた一幕でした。



ちなみにこの日の教育講演でいらっしゃっていた愛知学院大学の教授で、歯科用ジルコニア研究のパイオニアである伴清治先生ともお話しさせて頂き、色々と臨床のヒントを得る事ができました。

また私の講演を聞いて頂いていたとの事で、少しお褒めの言葉も頂き大変恐縮致しました。

写真左は北海道医療大学の教授でデジタル歯科医学の先駆者でもある疋田一洋先生です。

第64話に続く

第64話 デジタルセラピューティックス(DTx)と歯科