前回の記事に書いた日本臨床CADCAM歯科学会の懇親会でのお話し。
某ホテルの素敵な会場で行われた懇親会では、学会の中で会員発表された先生のうち、優秀な発表をされた先生がたに賞が贈られていました。
なかでも最優秀賞に選ばれた北海道の先生の内容がとても印象的でした。
口腔内スキャナーを用いてインレーの印象を行う際に、ボックス窩洞の下にウェッジを挿入すると言う方法です。
ウェッジを挿入すると形成ラインがはっきりとスキャンされ、最終修復物も臨床上とても適合がいいものが出来上がると言うものでした。
それを実際に臨床上で比較されていたのですが、私はそれが大変素晴らしいと思いました。
多くのスキャナーなどを用いた研究は、実際の臨床で行われていません。
もちろん口腔内では様々なエラー要因があるため、比較する事が難しいと言われるかもしれませんが、やはり実際に必要なのは口腔内でどうかということだと思います。
それを常日頃から考え取り組んでいると言う姿勢にとても感動しました。
しかしもっと驚いたのは、その最優秀賞を受賞された先生に日本臨床CADCAM歯科学会の理事長である、草間先生がコメントの際に「そのやり方はスイスの学生教育でやっている」と仰った事です。
様々な規制などから、この分野は日本が世界から遅れをとりがちですが、遅れているならその情報をいち早く入手していかに日々の治療を変化させていくか?それを考えさせられた一幕でした。
ちなみにこの日の教育講演でいらっしゃっていた愛知学院大学の教授で、歯科用ジルコニア研究のパイオニアである伴清治先生ともお話しさせて頂き、色々と臨床のヒントを得る事ができました。
また私の講演を聞いて頂いていたとの事で、少しお褒めの言葉も頂き大変恐縮致しました。
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