2019/06/13

第63話 情報をいち早く入手する大切さ。






前回の記事に書いた日本臨床CADCAM歯科学会の懇親会でのお話し。

某ホテルの素敵な会場で行われた懇親会では、学会の中で会員発表された先生のうち、優秀な発表をされた先生がたに賞が贈られていました。

なかでも最優秀賞に選ばれた北海道の先生の内容がとても印象的でした。

口腔内スキャナーを用いてインレーの印象を行う際に、ボックス窩洞の下にウェッジを挿入すると言う方法です。

ウェッジを挿入すると形成ラインがはっきりとスキャンされ、最終修復物も臨床上とても適合がいいものが出来上がると言うものでした。

それを実際に臨床上で比較されていたのですが、私はそれが大変素晴らしいと思いました。

多くのスキャナーなどを用いた研究は、実際の臨床で行われていません。

もちろん口腔内では様々なエラー要因があるため、比較する事が難しいと言われるかもしれませんが、やはり実際に必要なのは口腔内でどうかということだと思います。

それを常日頃から考え取り組んでいると言う姿勢にとても感動しました。

しかしもっと驚いたのは、その最優秀賞を受賞された先生に日本臨床CADCAM歯科学会の理事長である、草間先生がコメントの際に「そのやり方はスイスの学生教育でやっている」と仰った事です。

様々な規制などから、この分野は日本が世界から遅れをとりがちですが、遅れているならその情報をいち早く入手していかに日々の治療を変化させていくか?それを考えさせられた一幕でした。



ちなみにこの日の教育講演でいらっしゃっていた愛知学院大学の教授で、歯科用ジルコニア研究のパイオニアである伴清治先生ともお話しさせて頂き、色々と臨床のヒントを得る事ができました。

また私の講演を聞いて頂いていたとの事で、少しお褒めの言葉も頂き大変恐縮致しました。

写真左は北海道医療大学の教授でデジタル歯科医学の先駆者でもある疋田一洋先生です。

第64話に続く

第64話 デジタルセラピューティックス(DTx)と歯科










第62話 日本臨床CADCAM歯科学会(通称:JSCAD)でシンポジウムを務めさせて頂いた時に思った事。







だいぶ前回の投稿より間があきましたが・・・

また再開して行きたいと思います。

今回は昨年末に日本臨床CADCAM歯科学会(通称:JSCAD)でシンポジウムを務めさせて頂いた時に思った事を書かせて頂きました。




この学会は以前記事にしたデジタル歯科学会

第61話 日本デジタル歯科学会第9回学術大会2018 ランチョンセミナーで講演させて頂きました。

とは違い、臨床系の歯科医師によって学会にされたものです。

あまり詳しい沿革は知りませんが、もともとはシロナのセレックのユーザーの会であるようです。




秋葉原の立派なホールで、シンポジウムは私を含めて5人の先生が講演をしました。





私は午前中から会員の先生の発表や同じシンポジウムの他の先生の講演を聞いていて驚きました。

以前参加したデジタル歯科学会は大学系の主宰になるので、研究的な内容のイメージがありましたが、この日本臨床CADCAM歯科学会ではまさに「デジタル臨床」の最先端と言った感じの先生たちばかりでした。

ここでいうデジタル臨床とは、AIやAR、VRといったものではなく、おもに口腔内スキャナーを使いこなしているという事です。

普段メーカー主催の講演などで聞く話は、口腔内スキャナーを販売したいがために普段ほとんど口腔内スキャナーなど使用していない有名な先生に依頼しているケースが多いと思います。

それは話を聞いていればすぐにわかります。

しかし、この学会のメンバーの方達はリアルに使用しており、また実際に使用しているからこそ様々な工夫を凝らしていおられました。

アナログとデジタルを混ぜ合わせながら使用している私にとっては、少し恥ずかしくもなるようなとても素晴らしい学会に参加させて頂きました。

第63話に続く

第63話 情報をいち早く入手する大切さ。